木目(杢)とは木の切断面に見られる、冬目(冬に育った濃厚な色の部分)と夏目(夏に育った部分)により描かれた模様をいいます。
その模様は、たとえ同種類の木であっても1本1本がすべて異なり、同じ模様は存在しません。育った環境や樹齢などから独自の木目が描かれ、それこそが天然木ならではの魅力ともいえます。また、木目が成長過程で様々な要因により乱れ、装飾性の高い模様が表れることがあります。これを、杢(もく)と呼びます。
板目が板の中心に細く、しかもまっすぐにのっている杢目です。
とても上品な模様とされています。
板目の模様が玉状や渦状になった、銘木を代表する杢です。
玉杢が浮き上がったように見えることが特徴。
老齢な大径木からしか取れないため、希少な杢とされています。
木目が笹の葉のように細かく波打っている杢のことをいいます。
原木の切り口の年輪が、細かく揺れているものから取れ、最低でも樹齢200~400年以上の老木から、ごく希に表れるものです。
ぶどうの実のような形をした杢のことをいいます。
バールやコブといった名称で呼ばれることもあります。
トチ板などに見られる杢で、年輪が縮んだように見られることから縮み杢と呼ばれています。
楽器や釣り具などによく使用されます。
赤みの一切入らない、白太の部分のことをいいます。
幅の広いものは、よほどの大径木でなければ取ることができないため希少です。なお、ケヤキ(欅)などは逆に赤みの強い部分に価値があるとされています。
鶉の羽に似た模様の杢をいいます。
杉(屋久杉)から取ることができ、装飾性の高さが特徴です。
虎の縞のような模様の杢をいいます。
鳥の目のような濃い色の中心部と同心円が複数連なる杢のことをいいます。
木取りとは、原木から材を切り取って板に加工したり、板から部材に加工することをいいます。
1本の木でも木取りの方法によって、その表情に違いがでます。
また、木取りには板目取りと柾目取りの2種類があります。
丸太の端から一定方向に挽いていく方法で、これにより表れた杢目を板目といいます。
部材を大きく使用したい場合などによく使われる製材方法です。
柾目取りは、丸太を四ツ割り状(みかん割りと言う)に挽いていく方法です。これにより表れた杢目を柾目といいます。
用途によっては、ケーキをカットするように製材することもあります。